流産手術と自然排出

Miscarriage

流産とは?

流産手術と自然排出の選び方

流産とは、何らかの理由でお腹の赤ちゃんの成長が止まり、妊娠を継続できなくなる状態を指します。妊娠の約15〜20%に起こる、決してめずらしくない自然な経過のひとつです。手術を行わず、子宮の収縮によって胎嚢などが自然に体外へ排出されるのを待つ方法は、「自然排出」と呼ばれています。

原因の多くは、受精の時点ですでに起こっていた染色体の異常によるものです。「○○したから」「○○しなかったから」といった日常の行動が直接の理由ではなく、ご両親に責任があるわけではありません。

そのため、流産が1回だけであれば、特別な検査を行う必要は基本的にありません。まずは心と体をゆっくりと整えることが大切です。

稽留流産の自然排出は何日かかる?

稽留流産と診断されたあとは、早ければ1〜2日、遅くとも1週間以内に自然に排出されるケースが多いです。ただし、出血の開始時期には個人差があります。1週間以上経過しても出血が見られない場合は、自然排出が難しい可能性があり、流産手術が必要となるケースがあるからです。

そのため、1週間以上経っても出血がなかったり、不安な症状があったりするときは、医師の診察を受けることをおすすめします。

流産手術と自然排出の比較

流産手術は、短時間で確実に排出できる一方で、麻酔による副作用のリスクや、保険適用であるものの医療費負担が必要です。

自然排出は、手術の負担がない代わりに、痛みが強かったり、排出の時期が読めなかったりなどのリスクを伴います。

ここからは、流産手術と自然排出の比較を確認してみましょう。

流産手術 自然排出
所要時間 10〜20分程度 数日〜数週間
痛み 術後に軽度の生理痛のような痛み 重い腹痛や腰痛を伴う生理痛のような痛み
リスク 麻酔による副作用や出血、感染 など 不完全排出や出血、感染 など
メリット 短時間で確実に排出が可能 麻酔・手術による身体への負担が少ない
デメリット 医療費がかかる 排出のタイミングが読めず、痛みが強い可能性がある
実施可能な時期 妊娠初期〜中期(当院では妊娠12週未満が対象) 主に妊娠初期

流産手術

所要時間 10〜20分程度
痛み 術後に軽度の生理痛のような痛み
リスク 麻酔による副作用や出血、感染 など
メリット 短時間で確実に排出が可能
デメリット 医療費がかかる
実施可能な時期 妊娠初期〜中期(当院では妊娠12週未満が対象)

自然排出

所要時間 数日〜数週間
痛み 重い腹痛や腰痛を伴う生理痛のような痛み
リスク 不完全排出や出血、感染 など
メリット 麻酔・手術による身体への負担が少ない
デメリット 排出のタイミングが読めず、痛みが強い可能性がある
実施可能な時期 主に妊娠初期

流産手術の
メリットとデメリット

MVA法(手動吸引法)による流産手術

流産手術とは、子宮内に残った胎嚢や組織を人工的に取り除く医療処置です。妊娠の週数や流産のタイプに応じて、手術方法や前処置の内容が異なります。

当院では、世界保健機関(WHO)も推奨するMVA法(手動真空吸引法)を導入し、お身体への負担をできる限り軽減できるよう努めています。

メリット

  • 短時間で終了する
  • ・心身の負担が少ない
  • ・医師の管理下で安全に行える
  • ・子宮内に内容物が残存しにくい
  • 計画的にスケジュールを調整できる

デメリット

  • ・麻酔や手術による副作用リスクが伴う
  • ・術後の軽い痛みや出血が伴う可能性がある
  • ・保険適用でも一定の費用がかかる

自然排出の
メリットとデメリット

流産の自然排出の仕組み

自然排出とは、子宮の収縮によって胎児や組織が自然に体外へ排出される経過を見守る方法です。完了までには数日から数週間を要し、腹痛や出血を伴うケースも少なくありません。

希望される場合でも、出血が多い、長引く、あるいは感染が疑われる場合には、医師の判断で手術による対応が必要になることもあります。

メリット

  • ・身体への侵襲が少ない
  • ・身体の仕組みである自然の流れで済む

デメリット

  • ・排出のタイミングが読めない
  • 痛みや出血が強いことがある
  • 不完全排出や感染などの可能性がある

流産手術の方法

流産手術の方法|ソウハ法と吸引法

流産手術には、掻爬法(そうはほう)と吸引法の2種の方法があります。梅田駅前婦人科クリニックでは世界保健機関(WHO)が推奨する吸引法「MVA法(手動真空吸引法)」を採用しています。MVA法は、使い捨ての柔らかいプラスチック製の専用器具で手術を行うので、大変お身体に優しい方法です。当院では妊娠12週未満の方を対象に、流産手術を日帰り手術として実施しています。

流産手術の痛みが不安

流産手術の痛みを緩和する方法

手術中は静脈麻酔で眠っているため、痛みはありません。術前の子宮口を広げる処置も、麻酔が効いている状態で行うため、痛みはなく安心です。

手術後に軽い生理痛のような痛みを感じることがありますが、術後処方薬の「痛み止め」で対応できます

【大阪市梅田】
流産手術の費用

梅田駅前婦人科クリニックの流産手術の費用は保険適用で、流産手術(MVA法)が約2万円前後で受けられます(3割負担時)。診察や検査費用などが、別途費用としてかかります。

流産手術(MVA法) 約20,000円

流産は保険適用になる?

流産手術で健康保険が適用されるのは、「稽留流産」や「不全流産」と診断された場合のみです。

稽留流産は、胎児がすでに子宮内で亡くなっているにもかかわらず、出血や腹痛といった自覚症状が見られず、胎児が子宮内にとどまっている状態を指します。

不全流産とは、排出が始まったものの、子宮内に一部の組織が残っている状態のことです。

また、妊娠を人工的に中断するいわゆる中絶(人工流産)は、保険適用対象外となっています。

流産手術の流れ

梅田駅前婦人科クリニックの流産手術は、下記のような流れでご案内しています。

手術そのものは十数分で終わりますが、麻酔の効果をしっかり確認したうえで実施し、終了後は回復室(リカバリールーム)での安静時間も必要となるため、時間にはゆとりを持ってお越しください。

1.ご来院

事前にお電話またはWEB予約のうえ、ご来院をお願いいたします。

2.手術前の検査

当日は、採血・超音波・感染症の有無を確認する検査に加え、既往歴や内服薬についての問診を行います。

3.手術

問診と血圧測定の後、手術に関する同意書をお預かりし、手術室へご案内いたします。

麻酔の効果をしっかり確認したうえで処置を行うため、痛みを感じることはありません。

手術自体はおよそ10〜15分で終了します。

4.術後の休憩

処置後は回復室(リカバリールーム)で1〜2時間ほどお休みいただき、体調が安定していればそのままご帰宅いただけます。

5.アフターケア

術後1週間前後を目安に再診を行い、子宮の回復状況や感染の兆候がないかを確認します。

ご不安な点があれば、どんなことでも遠慮なくご相談ください。

自然流産のあとの妊娠は?
すぐにできる?
体験談はある?

ある研究では、早期流産後3ヵ月以内に妊娠を希望したカップルは、3ヵ月以上あけて妊娠を目指したカップルよりも、妊娠成立から出産に至るまでの確率が高く、妊娠までの期間も短い傾向が見られたと報告されています。

一方で、「流産後は妊娠しやすくなる」といった説については、現時点では明確な医学的根拠があるわけではありません。流産を経験された方の中には、「子宮がリセットされて妊娠しやすくなった気がする」と感じる方もいらっしゃいますが、それを裏づける科学的なデータは確認されていないのが実情です。

梅田駅前婦人科クリニックでは、子宮の回復とホルモンバランスの安定を考慮し、生理が2回ほど整ってから、次の妊娠を目指すことをおすすめしています。

MVA法の日帰り流産手術を
ご希望なら
梅田駅前婦人科クリニックへ

流産を経験された方の中には、深い悲しみだけでなく、ご自身を責めてしまう気持ちや、手術への不安、次の妊娠に対する戸惑いなど、複雑な思いを抱えていらっしゃることも少なくありません。

梅田駅前婦人科クリニックでは、そうした心の揺れにそっと寄り添いながら、お身体への負担を最小限に抑えられるMVA法(手動真空吸引法)による日帰り手術をご案内しています。ただ処置を行うだけでなく、少しでも痛みや不安を和らげられるよう、院内の対応やケアにも細やかな配慮を重ねています。

術後のサポート体制も整っており、心身の回復に関するご相談や、次の妊娠に向けたご不安にも丁寧に対応いたします。どんな小さなことでも、どうぞ遠慮なくお聞かせください。

なお、初期流産は多くの場合、ご本人の努力や生活に原因があるものではなく、医学的にも防ぐことが難しい自然な出来事とされています。どうかご自身を責めず、これからの選択に優しい気持ちで向き合っていただければと思います。

流産手術の
よくあるご質問

流産手術後、仕事にはいつ頃から復帰できますか?
A. 手術後は1〜2日ほど安静に過ごされることをおすすめします。痛みや倦怠感が強くなければ、翌日からデスクワークなどの軽めのお仕事は可能です。ただし、立ち仕事や重労働は体に負担がかかるため、数日間は控えた方が安心です。体調を見ながら、無理のない範囲で再開していきましょう。
流産手術の後に、レバーのような塊が出たのですが、問題ありませんか?
A. 手術後にレバー状の血の塊が排出されることは、比較的よく見られる反応です。大量出血を伴わず、痛みが強くない場合は、特に心配はいりません。気になることがあれば、遠慮なく当院までご相談ください。
流産手術後も、子宮内に血の塊などが残ることはありますか?
A. 処置が適切に行われた場合でも、まれに子宮内に内膜や血液の残りが見られることがあります。多くの場合、それらは自然に排出されていきますが、排出の際に下腹部の痛みや微熱を伴うこともあります。こうした症状は次第に落ち着いていくため、過度にご心配なさらずお過ごしください。

News

お知らせ

  • 2025/06/11

    2025年7月1日(火)10時 梅田駅前婦人科クリニックが新規開院します。2025年6月24日(火)より、予約受付開始です。