中絶手術後の症状・合併症・後遺症

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人工妊娠中絶手術後になりやすい病気・症状

中絶手術後になりやすい病気・症状

中絶手術後、多くの方が身体や心の変化に不安を抱かれます。

腹痛や出血といった身体的な症状はもちろん、精神的な落ち込みを感じる方も少なくありません。

この記事では、中絶後に起こりうる症状や、合併症・後遺症について、わかりやすく解説します。

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中絶後になりやすい主な症状と身体の変化

下腹部を押さえて苦しそうな女性の画像

中絶後の腹痛

中絶手術後は子宮が妊娠前の状態に戻ろうとして、収縮を始めます。これは身体が起こす正常な反応で、「子宮復古」といいます。子宮が収縮をするときに生理痛のような痛みを伴いますが、術後、数日から1週間程度で軽快する方が多いです。痛みが出た場合は鎮痛剤を内服し、できるだけ安静にしてお過ごしください。

もし、39℃以上の発熱を伴って、日常に支障が出るほどひどい痛みが続く場合は、感染症の疑いも否定できないため、当クリニックまでお早めにご連絡ください。

中絶後の出血

個人差はあるものの、中絶手術後は多くの方に出血が見られます。この出血は、分娩の際の「悪露(おろ)」と同様の反応です。子宮内に残っていた血液や組織が自然に排出されるために起こるものであり、通常の術後経過の一部といえます。

出血は手術後すぐに始まる場合もあれば、数日後から現れる場合もあります。量も個人差が大きく、帯下(おりもの)に少し血が混ざる程度の方もいれば、鮮血が出る、レバーのような血の塊が見られる方もいます。

一般的には、術後1週間から2週間ほどで徐々に出血量が減っていきますが、出血が長期間にわたって続く場合には注意が必要です。

少しでも不安を感じる症状が現れた際は、無理をせず、当クリニックへご連絡ください。

中絶後の吐き気・嘔吐

当クリニックでは、中絶手術の際に静脈麻酔を使用しております。この麻酔薬の影響により、手術後に吐き気や気分不快を感じる場合があります。これは麻酔による一過性の副作用であり、多くの場合、時間の経過とともに自然に改善していきますので、過度な心配は不要です。

吐き気や嘔吐のリスクを減らすため、術前には指定された時間以降の飲食をお控えていただくようお願いしています。

中絶後のめまいや頭痛

中絶手術後に、めまいや頭痛の症状を感じる方もいらっしゃいます。手術直後から当日にかけて現れるこれらの症状は、主に手術で使用した静脈麻酔の影響によるものと考えられています。通常は、麻酔の影響が徐々におさまることで、30分から数時間以内に自然と改善していきます。

そのため、当クリニックでは、術後すぐにご帰宅いただくのではなく、プライバシーに配慮した回復室にて1~2時間ほどお休みいただき、医療スタッフがそばで経過を見守る体制を整えています。

手術翌日以降もめまいや頭痛が続く場合には、出血による貧血、術後の吐き気や食欲低下による水分・栄養の不足、自律神経の乱れなどが考えられます。

中絶後の精神不安定/PTSD(PAS)

中絶手術後は、お身体だけでなく精神面にも大きな負担がかかる場合があります。中絶後遺症候群(PAS)とは、PTSD(心的外傷後ストレス障害)の一種であり、手術によるストレスや抑圧された感情が影響し、心身や行動面にさまざまな症状を引き起こすことが知られています。特に、過剰反応、侵害行為、抑圧といった形で症状が現れるケースが多いです。

中絶手術後には、身体と心の両面でさまざまな変化が現れます。腹痛や出血、吐き気、頭痛といった身体的な症状は、術後の自然な反応であることが多い一方で、精神面では中絶後遺症候群(PAS)と呼ばれる心の不調がみられる場合もあります。

精神不安定/PTSD(PAS)について

精神的な症状は、身体的な症状と同様に個人差があり、回復のペースも人それぞれです。決してひとりで抱え込まず、適切なサポートを受けましょう。

過剰反応:突然のパニックや怒りの爆発、攻撃的な態度、集中力の低下、過剰な警戒心、睡眠障害などです。例えば、「些細なことでイライラしやすい」「周囲に過敏に反応する」「孤独を強く感じる」「なかなか眠れない」といった症状が挙げられます。

侵害行為:中絶手術に関するフラッシュバックや悪夢、強いうつ状態が現れる場合があります。日常生活の中で、ふとした拍子に手術時の記憶が蘇ったり、気持ちが沈みがちになったりするケースも少なくありません。

抑圧:中絶に関する感情や記憶を否定したり、関連する行動や人を無意識に避けたりする場合があります。「中絶について考えたくない」「子どもを見るのがつらい」「中絶に関わった人との関係を避ける」などの行動につながり、深刻な場合には自殺願望に至るケースも報告されています。

逆行性健忘:逆行性健忘とは記憶障害の一種で、手術時を含めてそれ以前の記憶が正しく思い出せない症状を指します。麻酔によってごく稀に起こる症状ですが、一時的なものなため、過度な心配は不要です。

当クリニックでは、お身体への負担の軽減はもちろん、術後の心のケアにも力を入れています。少しでも気になる症状やご不安な点がありましたら、お気軽にご相談ください。

中絶手術に伴い起こる
可能性がある合併症

梅田駅前婦人科クリニックで行われる中絶手術は、身体への負担をできるだけ抑えるため、「吸引法」を推奨しています。手術自体にかかる時間は10分程度と短く、患者様の身体への影響も最小限に留めるよう努めております。

ただし、どのような手術にもリスクは存在しており、稀ではあるものの、合併症が起こる可能性もゼロではありません。ここでは、手術に伴って起こりうる主な合併症についてご説明します。

絨毛膜・胎盤遺残

繊毛膜・胎盤遺残とは、分娩や流産手術、中絶手術後に、絨毛膜や胎盤の一部が子宮内に残っている状態を指します。遺残物が残ると、大量出血や感染症を引き起こす危険性があります。

子宮収縮不全

子宮収縮不全は、別名「子宮復古不全」とも呼ばれ、通常であれば中絶後に自然に起こるはずの子宮の収縮が、十分に進まない状態を指します。子宮収縮不全になると子宮の収縮力が弱くなるため、出血が多くなりやすい傾向にあります。

アッシャーマン症候群

アッシャーマン症候群とは、子宮内膜が傷つき、癒着を起こすことで発症する疾患です。卵巣機能は正常に保たれているため排卵は行われますが、子宮内膜が育ちにくくなるため、無月経や月経量の減少、不妊症などの症状が現れるリスクがあります。

感染症

中絶手術後は、一時的に子宮頸管が開いているため、通常よりも感染症にかかりやすい状態になります。とくに、クラミジア感染症などの性感染症に既に感染している場合には、リスクが高まる傾向にあります。

極めて稀な合併症

子宮穿孔や腸・膀胱・その他臓器の損傷、子宮頸部の損傷、大量出血など

当クリニックでは、熟練した医師が手術を担当しているため、重篤な合併症が起こるケースは極めて稀です。

また、中絶手術の術前に、血液検査にあわせて性感染症の検査も行っているため、より安心して手術をお受けいただけます。

なにか異変に気づいたら

中絶手術後に起こりうる症状や合併症、精神的な後遺症についてご説明しました。

中絶後の検診は、身体と心の健康を守るために非常に重要な役割を果たします。回復を確実に見守るためにも、必ず検診を受診しましょう。

術後は、身体面・精神面の両方で不安定な状態になりやすく、ささいな変化でも大きな不安を感じる方が少なくありません。

もし、体調や気分に少しでも異変を感じた場合や、不安なこと、心配なことがあれば、おひとりで抱え込まず、梅田駅前婦人科クリニックまでご相談ください。

News

お知らせ

  • 2025/09/26

    2025年10月3日より中絶手術の術前検査のご予約を開始いたします。 実際の手術は10月10日以降にご対応可能となります。